<{$xoops_sitename}>

達人システム

システム利用者の声「電子申告体験記」

時代の流れ 轟木洋二様
ヘッダーナビゲーション

2007/08/13 5:00 pm

この度「電子申告体験記」の原稿を依頼されて、最初に思い浮かんだのが、音楽用CDの事だ。

直接関係がある分野ではないものの、時代の流れと言う意味で、何となく似たような雰囲気を感じたからである。
CDプレイヤーが世に登場したのは、1982年であるから、既に20年以上が経過している。
当時新しい物好きの私は、比較的早い段階でCDプレイヤーを購入したのだが、どこのレコード店へ行っても、店の片隅に僅かに商品が並べてあるだけであった。
親しい友人等も「今持っているLPレコードが勿体ないし、それに当分はCDが主流になることはないさ」と言って、相変わらずアナログのレコードを買い続けていたし、恐らく多くのユーザーがそう考えていたに違いない。
しかし、1985年に事態は急展開する。
いわゆるCDレンタルが正式に認可されたのである。
この年にはCDの売上は対前年比で3倍以上を記録し、1986年には遂にCDのシェアは50%を超え、アナログレコードとカセットを上回ってしまったのである。
その後の展開は皆様もご存知のとおりで、現在では早くもCDは音楽メディアとしての役割を終えつつあり、フラッシュメモリーを利用したポータブルプレイヤーに移行して来ているし、いずれコンテンツの入手もネット配信だけになるであろう。
要するに、根源的に「便利」「高機能」等の合理性を備えたものは、早いか遅いかは別として、いずれ主流になると言う事の好例と感じている。
CDの場合には、レンタルの解禁と言う事が爆発的普及の引き金になっている。
では、電子申告はどうであろうか?
確かに、初期の導入設定は少々面倒であるし、e-Taxソフトの使い勝手等もお世辞にも優れているとは言い難いので、現時点だけを見れば税理士として積極的に利用するメリットは感じづらいであろう。
しかしながら、開始届ひとつとっても、僅かな期間に随分と簡略化・合理化されて来ているし、初期設定も簡単に行えるような仕組みも着々と考案されていると聞いている。
加えて、現段階では現実味はないのであるが、「仮に」当局が2年後、あるいは3年後、税額控除等の施策導入を打ち出したとするならば、爆発的に利用者は増えるだろうし、それは我々税理士が考えている以上にインパクトのある事態かもしれない。
CDの登場、レンタルの解禁等によって、消えて言った製品・業界も少なくはないだろうし、逆に伸びてきた新たなビジネスも少なくないだろう。
音楽コンテンツの扱い方の変化で、アメリカでは、大手レコード販売チェーンが倒産するような時代である。
電子申告についても、程度の差はあれ同様の事が起きる可能性は否定できないと感じる。
電子申告・電子納税・電子帳簿保存等の普及で、我々税理士業界がどのような影響を受けるのか、真剣に考えるべき事柄と感じる。
極端な話、全てのデータが電子化されれば、地球の裏側でサービスを提供することも可能である。
もはやライバルは日本だけにはとどまらない。
少なくとも、利用を躊躇している場合ではないことは確かと思う。
今利用を躊躇するのは、冒頭引用した当時の私の友人と同じで、いずれCDが主流になるのに、相変わらずアナログレコードを買い続けるようなものである。
このエントリーの情報

 

このエントリーの記録

ページの先頭へ

東京地方税理士会データ通信協同組合
〒220-0022 横浜市西区花咲町4-106 税理士会館3階
TEL:045(243)0561(代) FAX:045(243)0568 E-MAIL:info@zei-data.com

Copyright © 2007 東京地方税理士会データ通信協同組合 All Rights Reserved.